12権の3巻が8月に発売らしい
フヒトまでの一時休憩にできそうです(笑)
しっかし、今日の三成KY過ぎません?
そんなだから敵作っちゃうんだよ
ちょっと短いです
「緑色の砂」
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あと数日
カイルのその言葉がロウビィの頭に浮かんでは消えて行く
一体スピリタスを何から守ればいいのか
カイルから聞いたヴァルク流術師の話
あと数日で総てが片付く
そう思うと少し気が楽になった気がするのだが
「リッカさんから情報が来たようですわ」
「六華から?」
ウィンがフワフワと部屋に入ってくる
「リッカの技術者の中にここ数カ月で行方不明になった方がいるそうですわ」
「じゃあ、決まりだな」
「そうですわ
その連れ去られたリッカの方から何者かが情報を聞き出し、
偽物のリッカカスアードの薬品を作りだしたのですわ」
「六華…神…か」
ロウビィは少し離れて座るスピリタスを見た
「人が神に成るなどおこがましいにも程があるが、
確かに六華は神だろうな」
「スピリタス…」
「その神に近しい人を利用するなんて天罰が下るだろう」
「でも、リッカさんはしばらく動かないそうですわ」
「事件が解決するまではな」解決したら行動を開始するだろう
本を読みながら、スピリタスは淡々と答える
「お前が神…ねぇ」似合ねぇ
「そうか?」
「スピリタスさんは誰が信仰している神様でもいますの?」
「信仰はしていないが、尊敬している神はいるな」
「へぇ~誰?」
「氷海姫神…フェルーザ様だ」
あと数日…その言葉が頭の中で復唱されながらも
ロウビィはスピリタスの意外な一面を不思議な気持ちで見ていた
時には同じ年代の子と話すのも重要だと姉に言われ
アークはリシードと木陰で他愛もない話をしていた
「若様は尊敬してる神様っておられますか?」
「あぁ 霊水魔師フェルーザ様だ」
「どうしてですか?」
「フェルーザ様は、仲間を守るか世界を守るかの二択に迫られた時
自分が神としての禁忌を犯すことで、二つとも守ったんだろ?かっこいいじゃないか」
「俺だって、みんなも全て守りたい そのためにはフェルーザ様のような強さが必要なんだ
だから、俺は強くなる」
アークはキッと空を見上げる
その空はとても晴れていて
「お言葉ですが、フェルーザ様はただ強いだけではないと思いますよ
強いだけじゃなくて仲間を思う強い気持ちもあったから、ご自分を犠牲にされたんでしょう?」
まるでアーク様にそれができますか?と言わんばかりの口調でリシードは言う
「お前・・・俺を誰だと思っている」この家の息子・アークだぞ
「アーク様が勘違いなさっているのではないかと思っただけですよ」
リシードはぺこりと頭を下げるとその場を離れていった
(リシード…使用人のくせに)
自分はこの家の一人息子であり、有能な術師
相手は身寄りもないただの雇われた、孤児
まさか、意外な運命の悪戯のせいでライバル同士となるなどと
思いもしないアークだった
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そろそろ終盤
完結したらまとめてHPの方にアップしようかと思います