夜方学校から出たら
その低温室に入った瞬間と同じような感じがしました
外も4℃だったのかな…
というか、寒い
キーボードを打つ手が震えます
この時期にこんな状況でこれから数カ月大丈夫かな
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「どういうことだ?久遠」
笹本さんと共に、俺たちは昨日の公園に向かった
よくわからずに付いてきている海寺と
しきりに周囲を見渡す皇
「俺に何か用ですか?」
笹本さんは改めて聞く
「貴方に用があるのは俺たちじゃないんです」
「ん?」
俺はどうやったらわかりやすく話せるか、それを考えながら
ゆっくりと口を開いた
「神埼は… 「久遠伏せろ!!」
皇が声と共に、俺を押し倒す
地面に手を付いた瞬間に、銃声が響いた
辺りを見渡すと、何人かの男に囲まれている
他に人は見当たらない
「何だお前ら…」
「どういう事だ」
海寺と笹本さんは身を低くする
「イザナミの目的は笹本さんなんだよ」
「何だって?」
「イザナミは笹本さんを狙う為にその友人たちを傷つけていったんだ
息子の友人から狙い、そして最後は息子自身を質とする為に…
笹本さん、貴方の両親は何をしていますか?」
「母子家庭で、親はどこかの研究者をしているらしい
詳しい事はわからないが…」
じりじりと男たちは迫ってくる
恐らく、戦闘のプロ
子供である俺達が敵うとはとても思えなかった
そんな時、皇が近くに落ちていた箒を手にする
「8人か…倒すぞ」
「え?」
俺は皇の言葉に一瞬、驚きを隠せなかった
た、倒す…って…
皇はグルンと箒を回すと剣道のような構えをした
「相手は子供だ、やっちまえ!!」
確かに、皇は剣道部の助っ人になった事もある
しかし、こんな状況で戦えるとは思ってもいなかった
面に小手、鳩尾
その軌道は見事に男たちを捉えていた
テレビとかではよくあるシーンだが、実際に見るのは初めてだ
しかも、同い年の子供が大人相手に行っている
「強ぇ」
身を伏せていた海寺が興奮で立ち上がる
バタリバタリと倒される男達に俺も興奮を抑えられなかった
「やるようじゃないか、坊や」
1人の男が残る「だが、これで終わりだ」
男は皇に銃を向ける
皇と男の距離はかなりある
このままでは撃たれてしまう
しかし皇は笑みを浮かべて、走り出した
「六華空斬!!」
皇の箒が空を切るが、その衝撃波らしきものが男に当たる
完全に置いていかれている俺達は口をあんぐりとあけていた
バタン
男が力を失い倒れた
皇は箒を手にしたまま、まだ構えている
そんな皇に見とれていた俺は背後から近づく男に気付かなかった
「久遠!!」
どこか懐かしいような安心するような声
振り向くと男が棒を片手に迫ってきていた
その男の横顔に神埼のひざ蹴りが入る
「大丈夫か? 久遠、笹本」
神埼は見事に着地を決め、俺達は皇と神埼に守られる形となった
笹本さんが後ろから神埼に近付く
「どういう事だよ、神埼」
「笹本、お前の親は六華関連施設の研究員なんだ」
「六華ってあの神のか?」
「あぁ、そこを狙われたんだ」
だから…そう説明する神埼に援軍であろう男が襲い掛かる
神埼はそれを回し蹴りで倒した
別の男が神埼を拳銃で狙う
「六華空拳!!」
神埼は空中に拳を突き出すと、その衝撃波らしきもので男を倒す
「まさか、神埼も六華を使えるとはな」
「君もね、皇」
箒を持った皇と、敵から奪った銃を手にする神埼
しかし、敵は段々と増えてくる
子供2人で大丈夫なんだろうか?
いや、大丈夫なはずがない
俺は携帯を手にすると、警察に連絡を入れようとした
「ぐあああ」
「うわああ」
男の悲鳴が聞こえる
見ると、男達が口から血を流しながら倒れていった
「何が起きたんだ?」
海寺は警戒しながらも倒れた男を見やる
「……天罰だ」
神埼は低い声で答えた
辺りが急に暗くなる
いや違う、上空を何かが飛んでいるんだ
上を見ると大きな鳥が数羽羽ばたいていた
ソレは俺達の頭の上を通り過ぎると、そのままどこかへ飛び去って行った
翌日、皇が大きな情報を持ってきた
イザナミが天罰を食らい、壊滅したという知らせが入ったそうだ
笹本研究員の強奪に死力を尽くしていたらしく
あのまま主力を失い、崩壊したらしい
天罰を下したのは、神の一族・六華
「六華ってあの…」六華楓藍の
海寺の言葉に立花さんは顔をそむける
「あぁ、夜中に大騒ぎだったよ
イザナミの本拠地に六華の当主代行・黒矛と楓藍が突撃したらしい」
「イザナミって世界最強とか言われてなかったか?」
「あぁ、それも神の前には所詮、民だったのだろう
それだけ、六華が強いという事だ
ところで、久遠 秀吉はどうなったんだ?
突然神埼が来たものの、秀吉らしき人は見かけられなかったけど」
「ん?あぁ、秀吉さんは味方だったんだよ」
「味方?」
海寺が目を丸くする
「手紙と事件は偶然それっぽく関係してそうに見えていただけだ
恐らく、神埼が狙われてる事をしって、護衛についたんだろう」
「そういうもんか」
「あぁ、そういうものだ」
俺達はチャイムと共に、教室に戻って行った
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この話でイザナミは壊滅しました (早っ
次は緑砂更新したいな…